Year: 2025

  • アイシングについて

    アイシングの重要性 急性期の外傷や炎症に有効 捻挫・打撲・腱炎・術後などで起きる疼痛や腫脹は、局所の血流増加による炎症反応が原因です。アイシングにより血管が収縮し、炎症性物質の流入を抑え、腫れと痛みを軽減できます。 疼痛コントロール 冷却により神経伝達速度が低下し、痛みの知覚が和らぎます。鎮痛薬の補助としても役立ちます。 回復促進 怪我や手術後の初期管理において適切なアイシングは、二次的な損傷(腫脹や組織内出血)を防ぎ、リハビリ移行をスムーズにします。 現実的にはセルフケアが基本 怪我や炎症の急性期は、患者自身が家庭でRICE(Rest, Ice, Compression, Elevation)処置を行う必要があります。当院では製氷機を導入し、氷を常備することで、来院時すぐに適切なアイシングを受けられる体制を整えています。ご自宅でも継続できるように方法をお伝えしますので、安心してご相談ください。  

  • 10/15(水)診療時間のお知らせ

    2025年10月15日(水)は健康教室講演のため診察受付時間を変更いたします。 通常12時まで→10時30分までと致します。 御不便をおかけいたしますが、ご理解の程御願い申し上げます。 健康教室/健康相談 雪かきと腰痛 13時から 青森県青森市新城平岡163−22 青森市西部市民センター

  • 土曜診察受付時間変更のお知らせ

    土曜診察受付時間変更のお知らせ 平素より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。 このたび、2026年1月より土曜日の診察受付時間を下記のとおり変更させていただきます。   変更前 変更後 土曜日診察受付 11:00まで 10:30まで 当院では限られたスタッフ体制の中で、待ち時間の軽減と安全で確実な診療を行うため、診察枠を調整することといたしました。 診療に十分な時間を確保し、患者さま一人ひとりにしっかり向き合った医療を提供するための措置です。 患者さまにはご不便をおかけいたしますが、  何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  • 有痛性外脛骨障害(Accessory navicular syndrome)

    有痛性外脛骨障害(Accessory navicular syndrome) 概要 外脛骨は舟状骨内側に存在する過剰骨の一つで、正常変異として約10〜15%の人に見られます。 多くは無症状ですが、繰り返す外力やスポーツ活動、靴の圧迫などで炎症や疼痛を生じたものを「有痛性外脛骨障害」と呼びます。 症状 足の内側(土踏まずのやや上方)の膨隆と圧痛 運動時の疼痛(特にランニング、ジャンプ、長時間歩行) 局所の発赤・腫脹 扁平足を伴うことが多い 発症のメカニズム 後脛骨筋腱が外脛骨に付着するため、牽引ストレスが加わりやすい 扁平足により内側アーチが低下し、外脛骨に負担が集中 外傷やスポーツでの繰り返す微細損傷 診断 身体所見:舟状骨内側の圧痛・膨隆 画像所見:X線で舟状骨内側に過剰骨を確認 Ⅰ型:小さな種子骨様 Ⅱ型:舟状骨と線維軟骨性に連結(最も症状が出やすい) Ⅲ型:舟状骨に癒合して大きくなったタイプ 治療 保存療法が第一選択 安静、運動制限 消炎鎮痛剤(NSAIDs) 足底板・アーチサポートインソール テーピングやサポーター 理学療法(ストレッチ、筋力強化:特に後脛骨筋) 予後 成長期に発症しやすいが、適切な保存療法で改善する例が多い 扁平足の矯正と負担軽減が再発予防に重要  

  • 【夏期休業(休診)のお知らせ】

    当院は以下の期間、夏期休業のため休診とさせていただきます。 休診期間:2025年8月10日(土)~8月17日(日) ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。 ※8月18日(月)より通常通り診療を再開いたします。 定期受診の方は、お薬が途切れないようにご留意ください。

  • 膝半月板損傷

    以下に**半月板損傷(meniscus injury)**の概要を、整形外科的に簡潔にまとめます。 ■ 半月板損傷とは 膝関節内の**半月板(内側・外側)**に裂け目や断裂が生じた状態。荷重分散・関節安定性に関与し、損傷すると痛みや可動制限が生じます。 ■ 原因 急性損傷:スポーツなどでの膝のひねり・屈伸動作  例:ジャンプ着地時の膝回旋、コンタクトプレー 変性断裂:中高年に多く、加齢で脆くなった半月板に小さな外力が加わる ■ 主な症状 膝の疼痛(特に内側) 引っかかり感(ロッキング) 可動域制限 腫脹(関節水腫) 歩行や屈伸時の違和感 ■ 検査 画像検査: X線(骨病変除外) MRI:高感度・高特異度で断裂の位置・形態を確認 ■ 分類(形態) 縦断裂(縦裂) 横断裂(水平断裂) バケツ柄断裂(ロッキングを起こしやすい) 変性断裂(中高年に多い) ■ 治療方針 分類 方針 症状軽度・非ロッキング 保存療法(物理療法、消炎鎮痛薬、筋トレ) 若年者・急性・縦断裂 関節鏡視下縫合術(保存的価値あり) 変性断裂・高度損傷 関節鏡視下部分切除術(部分摘出) ロッキングあり 手術が第一選択(バケツ柄断裂など) ■ スポーツ復帰目安(参考) 保存療法:2〜6週間程度 関節鏡切除術後:4〜6週前後 縫合術後:3〜4か月(荷重制限・ROM制限期間あり) ■ 合併症・注意点 放置すると軟骨損傷〜変形性膝関節症のリスク 高齢者では再発率・再断裂に注意  

  • 痛風

    以下は**痛風(Gout)**についての概要です。 🔷 痛風とは? 痛風は、血液中の尿酸値が高くなる(高尿酸血症)ことで、関節内に尿酸結晶が沈着し、激しい関節炎(主に足の親指)を引き起こす病気です。 🔶 原因 尿酸の産生増加(例:プリン体の多い食事、アルコール、多血症など) 尿酸の排泄低下(例:腎機能低下、薬剤[利尿薬など]) 遺伝的要因 🔶 症状 急性痛風発作(代表的初発症状) 突然の関節の激痛・腫れ・発赤 特に足の親指の付け根(第1中足趾関節) 夜間〜早朝に多い 発熱や全身倦怠感を伴うことも 慢性痛風 繰り返す発作 痛風結節(耳介・肘・アキレス腱などに尿酸結晶のかたまりができる) 関節の変形や機能障害 🔶 検査 血液検査(尿酸値、CRP、白血球数など) 関節液検査(尿酸結晶の確認) X線(慢性期には骨びらん) 超音波やMRIでの関節病変の評価 🔶 治療 ① 急性発作時の治療 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) 当院では主にこちらを処方しています コルヒチン(発作初期に有効) 副腎皮質ステロイド(内服または関節内注射) ※ 尿酸値を急に下げる薬は発作時には使用しない(症状を悪化させるため) ② 発作予防・長期管理 尿酸降下薬の使用(発作が落ち着いてから) アロプリノール(尿酸生成抑制) フェブキソスタット ベンズブロマロン(尿酸排泄促進) 🔶 生活指導(予防のカギ) プリン体を多く含む食品の制限(内臓、干物、ビールなど) アルコール制限 水分摂取の増加 肥満・メタボの是正 適度な運動 高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理   お薬について 「フェブリク(Feburic)」は、痛風や高尿酸血症の治療薬として用いられる尿酸降下薬のひとつです。以下に詳細をまとめます。 🔷 フェブリクとは? 一般名:フェブキソスタット(Febuxostat) 商品名:フェブリク錠(10mg、20mg、40mg、60mg) 分類:選択的キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬 🔶 効果・作用機序 フェブリクは、尿酸の産生に関与するキサンチンオキシダーゼ(XO)という酵素を選択的に阻害することで、尿酸の生成を抑え、血中尿酸値を低下させます。 🔶 適応症 痛風(急性発作の予防) 高尿酸血症(関節障害や腎障害などの合併症を伴う場合) ※ 急性痛風発作中の開始は避ける(発作悪化の可能性あり) 🔶 用法・用量(例) 通常、10~40mgから開始し、効果を見ながら漸増 最大60mg/日まで使用可能(腎機能や尿酸値に応じて調整) 🔶 副作用 初期:痛風発作の誘発(導入初期) 肝機能異常(AST・ALT上昇) 発疹、胃腸症状(腹痛、下痢など) 稀に心血管イベントのリスク増加報告あり ※心疾患既往のある患者には慎重投与 🔶 注意点 投与開始直後はコルヒチンやNSAIDsで発作予防を行うことが推奨される 腎機能に応じて用量調整がしやすい薬剤(腎排泄が少ないため) 血中尿酸値が6.0mg/dL未満を目標に治療 🔶 他の尿酸降下薬との違い 薬剤名 作用機序 特徴 アロプリノール 非選択的XO阻害薬 古くから使われる。副作用注意。 フェブリク 選択的XO阻害薬 肝代謝。腎障害患者にも使いやすい。 ベンズブロマロン 尿酸排泄促進薬 尿酸排泄型。尿路結石リスクに注意。   「ユリス®(Yuris)」は、**一般名:ドチヌラド(Dotinurad)という、有効性と安全性に優れた選択的尿酸再吸収阻害薬(SURI)**で、2020年5月に日本国内で発売された比較的新しい高尿酸血症・痛風治療薬です (med.mochida.co.jp)。 🔷 ユリスの特徴 ① URAT1選択的阻害 腎臓の近位尿細管にある「URAT1トランスポーター」を選択的にブロックし、尿酸の再吸収を防ぐことで尿中排泄を促進し、血中尿酸値を効果的に低下させます (ehealthclinic.jp)。 ② 他トランスポーターへの影響が少ない ABCG2やOAT1/OAT3といった他の排泄経路には影響しにくく、腎臓への負担が少ないことが特徴です (medi-career.jp)。 📊 […]

  • 変形性股関節症

    変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう / Osteoarthritis of the Hip) ■ 概要 変形性股関節症は、股関節の関節軟骨がすり減り、関節の変形・痛み・可動域制限が進行する疾患です。進行性であり、高齢者に多いものの、若年者にも先天性の股関節疾患が原因で発症することがあります。 ■ 主な原因 一次性(特発性):加齢や体重増加に伴う慢性的な負荷 二次性(日本では多い): 先天性股関節脱臼(先天性股関節形成不全) Perthes病、臼蓋形成不全、大腿骨頭すべり症などの既往 外傷、感染、関節リウマチ ■ 症状 股関節の運動時痛(特に立ち上がり・歩行時) 可動域制限(あぐら、正座が困難) 長時間の歩行や階段昇降での疲労感 進行すると安静時痛も出現 歩行時の跛行(はこう) 脚長差、股関節周囲の筋力低下 ■ 診断 問診・視診・触診 X線検査:関節裂隙の狭小化、骨棘形成、骨硬化、嚢胞形成 必要に応じてMRI・CT:軟骨や骨頭の詳細評価 ■ 病期分類(Kellgren-Lawrence分類など) Stage I:関節裂隙の狭小化軽度 Stage II:骨棘形成、裂隙狭小中等度 Stage III〜IV:高度狭小化、骨頭の変形・破壊 ■ 治療 ● 保存療法(初期〜中等度) 体重管理(減量) 杖・歩行補助具の使用 股関節周囲筋の筋力トレーニング(大腿四頭筋・中殿筋強化) 消炎鎮痛剤(NSAIDs) 関節注射(ヒアルロン酸、ステロイド) 物理療法(温熱・電気など) ● 手術療法(進行期・保存療法無効時) 骨切り術(若年者、関節保存可能例) 人工股関節全置換術(THA: Total Hip Arthroplasty) 高齢者や重度の関節破壊例で有効。整形外科で最も成功した手術治療と言われる。 QOL改善が大いに期待される標準的治療 ■ 予後と生活指導 運動療法での筋力維持と関節保護が重要 正座・しゃがみ込み・激しい運動は回避 関節温存を目的とした早期発見・早期介入が重要 THA後は再脱臼・感染などに注意しながらリハビリと定期フォロー  

  • シーバー病

    シーバー病(Sever病)は、**踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)**とも呼ばれ、小児の踵(かかと)の成長痛として知られています。以下に概要をまとめます。 ■ シーバー病(Sever病)の概要 項目 内容 別名 踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう) 好発年齢 8〜13歳頃の活発な男児に多い(女子ではやや低年齢) 原因 成長期の踵骨骨端核への繰り返す牽引ストレスや圧迫力(特にアキレス腱の牽引) 誘因 サッカー、バスケットボール、陸上などジャンプや走る動作の多いスポーツ活動 主な症状 – 踵の痛み(特に運動後や朝の一歩目)- 踵を押すと痛がる(圧痛)- つま先立ちや走ると痛みが増す 診断方法 – 臨床所見が中心(圧痛+運動誘発)- レントゲンで骨端線の拡大や不整を確認(ただし所見がないことも) 治療 原則保存療法(成長により自然治癒)1. 安静/スポーツ制限2. アイシング(運動後)3. ヒールカップやインソールの使用4. アキレス腱やふくらはぎのストレッチ5. 鎮痛薬(必要時) 予後 成長とともに自然に軽快することが多い。通常は数週間〜数ヶ月で改善。 復帰の目安 痛みが完全に消え、つま先立ちや走行で痛みがないこと  

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