Month: June 2025

  • 整形外科の足の病気・けが

    以下に整形外科領域における主な足外科疾患を分類・簡潔にまとめます。足部は解剖学的・機能的に複雑な構造を持つため、疾患も多岐にわたります。 ■ 主な足外科疾患一覧(整形外科) ◉ 1. 前足部の疾患 疾患名 概要 外反母趾 母趾が外側に曲がり、第1中足骨が内反する変形。疼痛・靴障害の原因に。 ハンマートゥ(槌指) 足趾の関節が屈曲拘縮し、突出して靴ずれや痛みを生じる。 中足骨骨頭部痛(モートン病) 第3-4趾間が多く、神経の圧迫による灼熱感やしびれ。 開張足(扁平前足部) 横アーチの低下で中足骨痛、前足部の痛みの原因。 ◉ 2. 中足部・後足部の疾患 疾患名 概要 有痛性外脛骨 舟状骨内側の副骨が歩行時痛を生じる。思春期女子に多い。 偏平足(後天性成人扁平足) 後脛骨筋機能不全によるアーチ崩壊。進行で痛みと変形。 リスフラン関節脱臼・捻挫 中足部の強靭な靱帯損傷による不安定性と荷重時痛。 ◉ 3. 足関節周囲の疾患 疾患名 概要 足関節捻挫 外側靱帯損傷(前距腓靭帯が最多)による腫脹と痛み。 慢性足関節不安定症 捻挫を繰り返し足関節が不安定に。外科的治療対象も。 足関節インピンジメント症候群 骨棘や軟部組織が挟まり、背屈時痛や可動域制限を生じる。 ◉ 4. アキレス腱・踵部の疾患 疾患名 概要 アキレス腱炎・周囲炎 過使用や加齢変性による痛み・腫れ。保存治療が基本。 アキレス腱断裂 典型的にはジャンプ動作での「バチン」という断裂音。 足底腱膜炎 踵の内側に起こる慢性的な痛み。中年以降に多い。 踵骨棘 足底腱膜の牽引により骨棘形成。足底腱膜炎と合併。 ◉ 5. 小児特有の足疾患 疾患名 概要 セーバー病(踵骨骨端症) 成長期に踵骨骨端部が疼痛。スポーツ活動で悪化。 有痛性外脛骨 副骨に起因する中足部内側の痛み(思春期)。 ◉ 6. その他・特殊疾患 疾患名 概要 足根管症候群 脛骨神経の絞扼性障害。足底部のしびれ・疼痛。 Charcot関節(神経病性関節症) 糖尿病などで感覚が低下し、関節が破壊される。 糖尿病性足病変 感染・潰瘍・壊疽などを含む慢性変化。重症化すると切断に至る。  

  • 整形外科の足関節の病気・けが

    整形外科で扱う主な足関節疾患について、以下に代表的な疾患をリストアップし、簡潔に解説を加えます。 🔹 主な足関節疾患一覧 疾患名 概要 足関節捻挫(靭帯損傷) 内反捻挫が多く、前距腓靱帯の損傷が一般的。重症例では靱帯再建術を要することも。 足関節骨折 果部骨折(内果・外果・後果)を含む。脱臼を伴うと整復・固定が必要。手術適応も多い。 距骨骨折 高エネルギー外傷で発生しやすく、無腐性壊死のリスクがあるため慎重な管理が必要。 距骨下関節障害 距骨と踵骨の間の関節障害。後天性扁平足や外傷後変形などに関連。 足関節脱臼 単独は稀で骨折を伴うことが多い。整復と安定化が重要。 足関節変形性関節症 加齢・外傷後に起因することが多く、疼痛と可動域制限が主症状。保存療法〜人工関節置換術まで幅広く対応。 足関節滑膜炎・滑液包炎 関節周囲の滑膜や滑液包の炎症で、腫脹・疼痛を伴う。 外反扁平足(後脛骨筋機能不全) アーチの低下、内反変形、後脛骨筋の機能低下を伴う。成人の後天性扁平足の主因。 足根洞症候群 捻挫などに伴う足根洞(距骨と踵骨の間)の疼痛。保険診断が難しいが、局所注射での診断・治療が有効なことも。 アキレス腱断裂 スポーツ外傷で頻発。保存療法と手術療法の適応判断が重要。 アキレス腱周囲炎・滑液包炎 ランナーに多い。繰り返しの負荷による腱の摩耗と滑液包の炎症。  

  • 整形外科の膝の病気・けが

    以下は整形外科領域で頻繁にみられる主な膝関節疾患の一覧です: 🔹 変性疾患 変形性膝関節症(OA)  関節軟骨の変性・摩耗による痛みと可動域制限。 関節軟骨損傷  外傷や長期使用による軟骨の部分的な損傷。 滑膜ヒダ症候群(タナ障害)  滑膜ヒダが炎症や肥厚により関節に挟まり、痛みを起こす。 🔹 外傷性疾患 前十字靭帯損傷(ACL損傷)  ジャンプ着地や急な方向転換で発症。膝の不安定感を訴える。 後十字靭帯損傷(PCL損傷)  膝の後方からの衝撃で発症。前方不安定感は少ない。 内側側副靭帯損傷(MCL損傷)  外反ストレスにより損傷。膝内側の圧痛や腫脹がみられる。 外側側副靭帯損傷(LCL損傷) 半月板損傷  膝の回旋や屈曲時に「引っかかり感」や「ロッキング」が出現。 膝蓋骨脱臼・亜脱臼  特に若年女性に多く、膝蓋骨が外側に逸脱。 🔹 炎症性疾患・滑液包炎 膝蓋前滑液包炎/鵞足滑液包炎/膝窩滑液包炎  長時間の膝立ちや過使用による炎症。 ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)  関節液貯留による膝裏の腫瘤。関節炎や半月板損傷に合併。 🔹 スポーツ障害・使いすぎ症候群 オスグッド・シュラッター病  成長期の脛骨粗面の炎症。ジャンプや走行を伴う運動で発症。 ジャンパー膝(膝蓋腱炎)  膝蓋骨下極に付着する膝蓋腱の炎症。 腸脛靭帯炎(ランナー膝)  腸脛靭帯と大腿骨外側上顆の摩擦による外側膝痛。 🔹 その他の代表的疾患 離断性骨軟骨炎(OCD)  骨と軟骨が剥離・壊死し、関節内遊離体を形成することも。 関節リウマチ(RA)による膝関節炎  

  • 整形外科の肩の病気・けが

    整形外科でよく扱う主な肩の疾患は以下のとおりです。各疾患には簡単な概要も添えています。 🔹 主な肩関節疾患一覧 疾患名 概要 肩関節周囲炎(五十肩) 肩関節の炎症により、痛みと可動域制限を伴う。加齢に伴うことが多く、自然治癒することもあるがリハビリが重要。 腱板断裂 棘上筋などの腱板が断裂し、挙上困難や夜間痛を伴う。加齢や外傷が原因。MRIで診断し、保存療法または手術適応となる。 石灰沈着性腱板炎 腱板に石灰が沈着して急性の炎症と激痛を生じる。自然吸収を待つ、注射、穿刺・吸引などが治療法。 反復性肩関節脱臼 若年者に多く、特にスポーツ外傷後に反復性となる。バンカート損傷やヒルサックス病変を伴う。関節鏡手術の適応も。 肩関節拘縮 手術や外傷後、長期固定などにより関節が硬くなり、可動域制限が生じる。リハビリでの可動域改善が目標。 肩鎖関節脱臼 肩への直接外傷(転倒など)で鎖骨が上方へずれる。重症度により保存療法または手術を選択。 上腕二頭筋長頭腱炎・断裂 肩前部の痛み。繰り返しの使用や腱板病変に合併。断裂により力こぶの変形(ポパイサイン)を呈することも。 変形性肩関節症 関節軟骨の摩耗により痛みと可動域制限。進行すれば人工肩関節置換術が適応されることも。 胸郭出口症候群 肩から手にかけてのしびれやだるさを訴える。神経や血管の圧迫による症状。運動療法中心の治療。  

  • 整形外科の肘の病気・けが

    以下は、整形外科でよく見られる主な肘の疾患の一覧と概要です。 🔹 主な肘関節疾患一覧(整形外科) 疾患名 概要 上腕骨外側上顆炎(テニス肘) 手関節背屈筋群の過使用による外側上顆部の疼痛。中年女性に多く、握力低下や手の使用で痛みが増悪。 上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘) 手関節屈筋群の過使用による内側上顆部の疼痛。野球やゴルフなど繰り返しの動作が原因。 肘部管症候群 尺骨神経の絞扼性障害。小指・環指のしびれ、筋萎縮、握力低下。肘の屈曲や外反変形がリスク因子。 変形性肘関節症 加齢や外傷後に起こる肘関節の軟骨変性。可動域制限、運動時痛、ロッキングなどが出現。 肘離断性骨軟骨炎(OCD) 成長期の野球少年に多い。投球や過度の使用で上腕骨小頭の骨軟骨が壊死・剥離。 肘頭骨折 転倒や直接外力で発生。三頭筋の牽引力により転位しやすく、手術が必要な場合も多い。 上腕骨顆上骨折 小児に多い外傷。神経・血管損傷のリスクがあり、整復・固定が必要。 Monteggia脱臼骨折 尺骨骨幹部骨折+橈骨頭脱臼の複合損傷。小児に多く、整復と固定を要する。 肘滑液包炎(肘頭滑液包炎) 肘頭部の腫脹・圧痛。長時間の圧迫や外傷が原因。感染性の場合は抗菌薬や穿刺が必要。 関節リウマチによる肘関節障害 滑膜炎により肘関節の腫脹、疼痛、可動域制限。進行すると変形性関節症を伴う。 肘内障(小児) 幼児の肘の亜脱臼。急な手引きで輪状靭帯から橈骨頭が部分的に逸脱。整復で治癒。  

  • 整形外科の主な手の病気・けが

    整形外科領域で扱う主な手外科疾患は以下のように分類できます。外傷性疾患から変性疾患、絞扼性神経障害、腫瘍性疾患まで多岐にわたります。 ■ 外傷性疾患 疾患名 概要 橈骨遠位端骨折 高齢者に多く、フォーク状変形を呈する(Colles骨折など) 舟状骨骨折 手関節の橈側で痛み、偽関節を生じやすい マレット指(槌指) DIP関節の伸展不能、腱断裂や末節骨骨折に伴う ボクサー骨折 第5中手骨頚部骨折、パンチ動作で発生 スキーヤー親指(母指MP関節尺側側副靱帯損傷) スキー転倒やボールでの受傷 ■ 腱鞘炎・腱障害 疾患名 概要 ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎) 長母指外転筋・短母指伸筋腱の腱鞘炎、Finkelsteinテスト陽性 ばね指(弾発指) 指屈筋腱の腱鞘炎、弾発現象あり、MP関節に好発 デュピュイトラン拘縮 手掌腱膜の肥厚・拘縮により指が屈曲位に固定される ■ 絞扼性神経障害 疾患名 概要 手根管症候群 正中神経の圧迫、母指球筋の萎縮、Tinel徴候・Phalenテスト陽性 肘部管症候群 尺骨神経障害、小指・環指のしびれ、鷲手変形 橈骨神経麻痺(下垂手) 橈骨神経圧迫による伸展障害 ■ 関節疾患・変性疾患 疾患名 概要 母指CM関節症(母指基部関節症) 中年女性に多い、関節不安定と疼痛 へバーデン結節 DIP関節の変形性関節症、結節形成 ブシャール結節 PIP関節の変形性関節症 ■ 腫瘍・嚢腫 疾患名 概要 ガングリオン 手関節背側に多い、ゼリー状内容物の腫瘤 グロームス腫瘍 爪下に多い、激しい圧痛と寒冷痛  

  • スポーツシーズンによる混雑について

    【お知らせ】スポーツシーズンによる混雑について 現在、スポーツシーズンに伴い、外来が大変混雑しております。特に 16:00以降は待ち時間が長くなる傾向 がございます。 診療時間をできる限り確保したいのですが、患者様お一人おひとりへの診察時間が短くなってしまう場合がございますことを、何卒ご理解・ご協力のほどお願い申し上げます。 ご都合のつく方は、午前中や15:00前後までのご来院をおすすめいたします。 ご不便をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。   一人ひとりの診察時間が短くなるデメリット 現在、混雑により一人ひとりの診察時間が短くなってしまう場合があります。 そのため、以下のようなことが起こる可能性がございます。 症状の聞き取りが不十分になる可能性  → 患者さんが伝えたいことを十分に話せないまま診察が終わるおそれがあります。 診断の精度が下がる可能性  → 詳細な問診や検査が難しくなり、見逃しや判断の遅れにつながることがあります。 説明不足による不安の増加  → 病状や治療方針についての説明が十分でないと、治療の流れや注意点などが分かりづらくなる場合もございます。 医師との信頼関係が築きにくい  → 時間が限られていると、対話や安心感の醸成が難しくなります。 後日あらためての受診が必要になることもあります。  → 複数部位の症状の場合、主症状のみの診察となり、後日改めて診察させていただくことがあります。 ご不安な点がある方や、ゆっくりご相談なさりたい方は、スタッフへご相談下さい。

お気軽に
お問い合わせください

fixed reservefixed reserve