整形外科の膝の病気・けが
以下は整形外科領域で頻繁にみられる主な膝関節疾患の一覧です:
🔹 変性疾患
変形性膝関節症(OA)
関節軟骨の変性・摩耗による痛みと可動域制限。関節軟骨損傷
外傷や長期使用による軟骨の部分的な損傷。滑膜ヒダ症候群(タナ障害)
滑膜ヒダが炎症や肥厚により関節に挟まり、痛みを起こす。
🔹 外傷性疾患
前十字靭帯損傷(ACL損傷)
ジャンプ着地や急な方向転換で発症。膝の不安定感を訴える。後十字靭帯損傷(PCL損傷)
膝の後方からの衝撃で発症。前方不安定感は少ない。内側側副靭帯損傷(MCL損傷)
外反ストレスにより損傷。膝内側の圧痛や腫脹がみられる。外側側副靭帯損傷(LCL損傷)
半月板損傷
膝の回旋や屈曲時に「引っかかり感」や「ロッキング」が出現。膝蓋骨脱臼・亜脱臼
特に若年女性に多く、膝蓋骨が外側に逸脱。
🔹 炎症性疾患・滑液包炎
膝蓋前滑液包炎/鵞足滑液包炎/膝窩滑液包炎
長時間の膝立ちや過使用による炎症。ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)
関節液貯留による膝裏の腫瘤。関節炎や半月板損傷に合併。
🔹 スポーツ障害・使いすぎ症候群
オスグッド・シュラッター病
成長期の脛骨粗面の炎症。ジャンプや走行を伴う運動で発症。ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
膝蓋骨下極に付着する膝蓋腱の炎症。腸脛靭帯炎(ランナー膝)
腸脛靭帯と大腿骨外側上顆の摩擦による外側膝痛。
🔹 その他の代表的疾患
離断性骨軟骨炎(OCD)
骨と軟骨が剥離・壊死し、関節内遊離体を形成することも。関節リウマチ(RA)による膝関節炎