整形外科の股関節の病気・けが
以下は、整形外科で扱う主な股関節疾患の一覧と簡単な説明です。臨床現場で頻度が高く、診断・治療の重要性が高い疾患を中心にまとめています。
🦴【整形外科の主な股関節疾患一覧】
疾患名 | 概要 |
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変形性股関節症(OA) | 加齢や先天性の形態異常(臼蓋形成不全など)により軟骨が摩耗し、疼痛・可動域制限をきたす。女性に多い。 |
股関節唇損傷 | 関節唇の断裂により疼痛やクリック音が出現。FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)との関連あり。 |
大腿骨頭壊死症 | ステロイド使用やアルコール摂取が原因となり、骨頭の血流障害から壊死を起こす。進行するとOAに移行。 |
大腿骨近位部骨折(頸部・転子部) | 高齢者の転倒で頻発。早期手術がADL・生命予後に直結する。 |
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI) | 骨形態異常により運動時に股関節が衝突し、疼痛や可動域制限を生じる。若年〜中年に多い。 |
単純性股関節炎(滑膜炎) | 小児に多く、一過性の股関節炎。ウイルス感染後に起こることが多く、保存的治療で軽快する。 |
ペルテス病(大腿骨頭骨端壊死症) | 3〜10歳の男児に多く、成長期の大腿骨頭に血流障害が起こる。骨頭の扁平化を伴う。 |
大腿骨頭すべり症(SCFE) | 思春期に多い。成長軟骨が弱く、骨頭が後下方にすべる。早期診断・固定が重要。 |
股関節唇嚢胞 | 関節唇損傷に伴って生じる嚢胞。神経や筋に圧迫症状を呈することも。 |
鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群) | アスリートに多く、股関節周囲の筋腱・骨膜などの障害が原因。複数の原因が混在する。 |