整形外科の主な胸椎疾患
整形外科の主な胸椎疾患
背中の痛みや違和感がある方へ ― 胸椎の代表的な病気と診療について
背中が痛い、違和感がある、姿勢が悪くなったと感じたことはありませんか? そのような症状は、胸椎(せんつい)の病気が関係しているかもしれません。
胸椎は12個の椎骨からなり、肋骨と繋がって胸部を形成し、肺や心臓などの大切な臓器を守っています。加齢、骨粗鬆症、椎間板の変化など、様々な原因で胸椎に病気が起こり得ます。当院では、X線検査やMRI、超音波検査などを組み合わせ、正確な診断のもと、その方に合った治療を行っています。
このような症状はありませんか?
- 背中や腰に慢性的な痛みがある
- 最近、背中が丸くなってきた(猫背が強くなった)
- 背中の特定の場所に痛みや違和感を感じる
- 足がしびれたり、歩きにくくなったりすることがある
- 胸を張ることが難しくなった
- 最近身長が縮んだと感じる
胸椎とは?
胸椎(きょうつい)は、脊椎(背骨)の中でも胸部に位置する12個の椎骨からなります。頚椎(首、7個)と腰椎(腰、5個)の間に位置し、解剖学的に最も安定した構造をしています。
胸椎の特徴として、肋骨が接合する部位であり、肺や心臓などの重要な臓器を保護する役割を果たしています。そのため、胸椎に問題が生じると、単なる背部痛だけでなく、神経症状や呼吸機能への影響も考慮する必要があります。
胸椎の病気は、比較的に発症頻度が低いと言われていますが、一度発症すると症状が長引くことが多く、適切な診断と治療が重要です。
主な胸椎疾患と特徴
整形外科で扱う主な胸椎疾患について、それぞれの特徴をご紹介します。
胸椎椎間板ヘルニア
胸椎の椎間板が突出して、脊髄や神経根を圧迫する疾患です。放置すると下肢のしびれや歩行障害、膀胱直腸障害を伴うことがあります。整形外科領域では比較的発症頻度は低い疾患ですが、発症時には早期の診断が重要です。
胸椎圧迫骨折
骨粗鬆症が原因で、胸椎が圧迫骨折を起こす疾患です。特に閉経後の女性に多く見られます。背部痛、姿勢の変化(猫背が強くなる)、後弯(円背)などが主な症状です。骨量の低下がある方は注意が必要です。
胸椎後縦靭帯骨化症(OPLL)
胸椎の後ろを走る後縦靭帯が骨化し、脊髄を圧迫する疾患です。徐々に進行することが特徴で、歩行障害や排尿障害などの神経症状をきたすことがあります。早期の診断と治療が重要です。
黄色靭帯骨化症(OLF)
脊柱管内の黄色靭帯が骨化し、脊髄の後方から圧迫を加える疾患です。特に胸椎下部に好発することが知られています。進行すると脊髄症状が出現します。
脊柱管狭窄症(胸椎部)
加齢性変化や骨化病変によって脊柱管が狭くなり、脊髄を圧迫する疾患です。下肢のしびれ、筋力低下、歩行困難などが見られます。腰椎部での発症が一般的ですが、胸椎にも起こり得ます。
胸椎後弯変形(円背)
加齢や骨粗鬆症により、胸椎が過度に後弯する変形です。慢性的な背部痛や体幹前傾姿勢(前のめり)を伴うことがあります。見た目の変化だけでなく、呼吸機能への影響も考慮が必要です。
その他の胸椎疾患
脊髄腫瘍(良性または悪性)、脊椎感染症(化膿性脊椎炎・脊椎カリエス)、強直性脊椎炎(AS)など、比較的稀ですが重要な疾患があります。これらは神経障害を呈することが多く、早期診断が重要です。
当院での胸椎の診療
当院では、症状に応じて以下の検査と治療を組み合わせて、正確な診断と適切な治療を行っています。
診断に用いる検査
| 検査方法 | わかること |
|---|---|
| X線検査(レントゲン) | 骨の形状・変形・骨粗鬆症の程度・圧迫骨折などを確認 |
| MRI検査 | 椎間板ヘルニア・靭帯骨化・脊髄の圧迫状況を詳しく評価 |
| 超音波検査(エコー) | 胸椎周囲の軟部組織・靭帯・神経の状態をリアルタイムで観察 |
| CT検査 | 骨の詳細な構造や脊柱管の狭窄程度を評価 |
治療のアプローチ
胸椎疾患の治療は、症状の程度や疾患の種類に応じて以下のように行います。
- 保存的治療 ― 薬物療法、リハビリテーション、コルセットなどで症状緩和を目指します
- リハビリテーション ― 胸椎周囲の筋肉の強化や柔軟性の向上を通じて、安定性を高めます
- コルセット ― 特に圧迫骨折に対して、胸椎の支持と姿勢改善に有効です
- 当院の超音波検査(エコー)を活用した診療 ― リアルタイムで胸椎周囲の状態を確認しながら、より正確な診断と治療につなげています
神経症状がある場合
下肢のしびれ、歩行困難、排尿障害などの神経症状がある場合は、早期に脊椎専門医の診察と詳細な画像検査(MRI・CT)が必要となります。症状の進行を防ぐため、症状がある方はお早めにご相談ください。
背中の症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください
背中の痛み、姿勢の変化、下肢のしびれなどの症状は、胸椎の病気が原因かもしれません。
適切な検査と診断によって、症状の改善につながることが多くあります。
お気軽にご来院ください。
※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。症状がある場合は医師の診察を受けてください。
最終更新日:2026年3月





