変形性膝関節症について
**変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう/英:Knee Osteoarthritis)**は、膝関節の軟骨がすり減り、関節の変形や炎症が生じる慢性的な疾患です。以下に概要を整理します。
■ 疾患概要
定義:膝関節の関節軟骨が加齢や過負荷などで摩耗し、関節の変形や炎症、痛み、運動制限が生じる疾患。
好発年齢:中高年(特に50歳以上の女性に多い)
好発部位:膝関節(特に内側)
■ 原因
加齢(軟骨の加水分解・弾力性低下)
肥満(関節への負荷増加)
過去の膝外傷(半月板損傷や靱帯損傷)
O脚などのアライメント異常
遺伝的要因
■ 主な症状
膝の痛み(特に歩行開始時・階段昇降時)
関節の腫れ・熱感
動作時のこわばり・可動域制限
関節音(ギシギシ、ゴリゴリ)
進行すると膝の変形(O脚)
■ 検査・診断
X線:関節裂隙の狭小化、骨棘(骨のトゲ)、骨硬化、骨嚢胞
MRI:軟骨や半月板の状態評価
身体診察:疼痛誘発テスト、関節可動域の確認
■ 治療法
保存療法(初期〜中等度)
薬物療法:
消炎鎮痛薬(NSAIDs)
ヒアルロン酸関節内注射
漢方薬(牛車腎気丸など)
運動療法:
大腿四頭筋の筋力トレーニング
関節可動域訓練
装具療法:
サポーターや足底板
杖使用による荷重軽減
生活指導:
減量、正しい歩行指導、和式→洋式生活への転換
手術療法(進行例)
高位脛骨骨切り術(HTO):若年でO脚がある場合
人工膝関節置換術(TKA):重度の症例やADL障害が強い場合
単顆置換術(UKA):内側のみの変形が強い例