小児の病気

  • 有痛性外脛骨障害(Accessory navicular syndrome)

    有痛性外脛骨障害(Accessory navicular syndrome) 概要 外脛骨は舟状骨内側に存在する過剰骨の一つで、正常変異として約10〜15%の人に見られます。 多くは無症状ですが、繰り返す外力やスポーツ活動、靴の圧迫などで炎症や疼痛を生じたものを「有痛性外脛骨障害」と呼びます。 症状 足の内側(土踏まずのやや上方)の膨隆と圧痛 運動時の疼痛(特にランニング、ジャンプ、長時間歩行) 局所の発赤・腫脹 扁平足を伴うことが多い 発症のメカニズム 後脛骨筋腱が外脛骨に付着するため、牽引ストレスが加わりやすい 扁平足により内側アーチが低下し、外脛骨に負担が集中 外傷やスポーツでの繰り返す微細損傷 診断 身体所見:舟状骨内側の圧痛・膨隆 画像所見:X線で舟状骨内側に過剰骨を確認 Ⅰ型:小さな種子骨様 Ⅱ型:舟状骨と線維軟骨性に連結(最も症状が出やすい) Ⅲ型:舟状骨に癒合して大きくなったタイプ 治療 保存療法が第一選択 安静、運動制限 消炎鎮痛剤(NSAIDs) 足底板・アーチサポートインソール テーピングやサポーター 理学療法(ストレッチ、筋力強化:特に後脛骨筋) 予後 成長期に発症しやすいが、適切な保存療法で改善する例が多い 扁平足の矯正と負担軽減が再発予防に重要  

  • シーバー病

    シーバー病(Sever病)は、**踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)**とも呼ばれ、小児の踵(かかと)の成長痛として知られています。以下に概要をまとめます。 ■ シーバー病(Sever病)の概要 項目 内容 別名 踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう) 好発年齢 8〜13歳頃の活発な男児に多い(女子ではやや低年齢) 原因 成長期の踵骨骨端核への繰り返す牽引ストレスや圧迫力(特にアキレス腱の牽引) 誘因 サッカー、バスケットボール、陸上などジャンプや走る動作の多いスポーツ活動 主な症状 – 踵の痛み(特に運動後や朝の一歩目)- 踵を押すと痛がる(圧痛)- つま先立ちや走ると痛みが増す 診断方法 – 臨床所見が中心(圧痛+運動誘発)- レントゲンで骨端線の拡大や不整を確認(ただし所見がないことも) 治療 原則保存療法(成長により自然治癒)1. 安静/スポーツ制限2. アイシング(運動後)3. ヒールカップやインソールの使用4. アキレス腱やふくらはぎのストレッチ5. 鎮痛薬(必要時) 予後 成長とともに自然に軽快することが多い。通常は数週間〜数ヶ月で改善。 復帰の目安 痛みが完全に消え、つま先立ちや走行で痛みがないこと  

  • オスグット病

    オスグッド病(正式名称:オスグッド・シュラッター病)は、成長期のスポーツをする子どもに多くみられる膝のスポーツ障害です。以下に概要をまとめます。 ■ オスグッド病の概要 項目 内容 別名 オスグッド・シュラッター病脛骨粗面骨軟骨炎 好発年齢 小学校高学年~中学生(10〜15歳)男子に多い 原因 成長期における太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)が、膝の下の骨(脛骨粗面)を繰り返し引っ張ることにより炎症が起きる 症状 – 膝下の隆起部(脛骨粗面)の痛み・腫れ- 押すと痛い(圧痛)- 走ったりジャンプ時に痛む- 膝を曲げづらいことも 診断 – 問診・身体診察(圧痛、隆起の確認)- レントゲン(脛骨粗面の骨の変化)で確認可能 治療 保存的治療が基本:- スポーツ休止や制限(特にジャンプ・ダッシュ)- アイシングや鎮痛剤(必要に応じて)- ストレッチ(大腿四頭筋の柔軟性改善)- サポーター・バンドの使用 予後 成長に伴い自然に治ることが多いが、膝下の隆起が残ることもある 予防 運動前後のストレッチ無理のない練習計画    

  • 肘内障について

    肘内障(ちゅうないしょう)は、**幼児に多い肘関節の亜脱臼(正確には橈骨頭の亜脱臼)**で、俗に「肘が抜けた」とも言われます。以下に概要をまとめます。 ■ 肘内障の概要 項目 内容 定義 橈骨頭が輪状靱帯から部分的に逸脱した状態(亜脱臼) 好発年齢 1〜5歳の幼児(特に2〜3歳) 原因 手を引っ張る・持ち上げるなどの外力(例:子どもと手をつないで歩いていて、転びそうになったときに引っ張る など) 症状 肘の痛み、動かさない(特に肘を曲げたがらない)、腕をだらんと下げたまま手掌を内側にして保持 診断 典型的なエピソードと症状から臨床診断(X線は通常不要。ただし骨折との鑑別が必要な場合には撮影) 治療 徒手整復(多くはすぐに整復され、直後に動かせるようになる)整復法:回外しながら屈曲、または回内しながら屈曲 予後 良好(整復後すぐに動かせるようになる)ただし再発しやすい(複数回繰り返すことも) 注意点 ・再発予防のため、引っ張らないように注意する・繰り返す場合や整復困難例では整形外科受診を勧める  

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