整形外科のおもな病気 各論

変形性膝関節症について

膝の疾患

変形性膝関節症について

膝の軟骨がすり減る ― 症状と最新の治療法

階段を上る時に膝が痛む、朝起きた時に膝がこわばる、歩き始めに違和感がある ― そんな膝の不具合を感じたことはありませんか?

それは「変形性膝関節症」かもしれません。特に50歳以上の女性に多いこの疾患は、膝の軟骨がすり減って起こります。加齢に伴う症状ですが、適切な治療と生活習慣の工夫で、痛みを軽減し、活動的な生活を続けることができます。

こんな症状はありませんか?

  • 階段の上り下りで膝が痛む
  • 朝、膝がこわばって動かしにくい
  • 歩き始めが特に痛い
  • 膝がはれたり、温かく感じたりする
  • 膝を動かすと、ギシギシやゴリゴリという音がする

変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)は、膝関節の軟骨がすり減ることで起こる慢性的な疾患です。

膝関節は太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)が出会う場所で、その間に軟骨がクッションの役割を果たしています。加齢や過度な負担によって、この軟骨が摩耗すると、骨と骨が直接こすれるようになり、痛みや腫れ、動きの悪さが生じます。

症状は徐々に進行することが多く、初期段階では軽い痛みですが、放置すると膝が変形(O脚)することもあります。

変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症は、加齢や様々な要因によって軟骨が傷むことで発症します。

主な原因

  • 加齢 ― 軟骨の水分や弾力性が年とともに低下します
  • 肥満 ― 膝への負荷が増加し、軟骨を傷めやすくなります
  • 過去の膝外傷 ― 半月板損傷や靱帯損傷を経験した膝は、後に変形性関節症になりやすくなります
  • 脚のアライメント異常 ― O脚やX脚などの脚の形は、膝への負荷を偏らせます
  • 遺伝的要因 ― 家族に患者がいる場合、リスクが高い傾向にあります

変形性膝関節症の症状

初期段階の症状

変形性膝関節症の症状は、段階的に進行していくことが多いです。

  • 階段の上り下りで膝が痛む(特に下り)
  • 朝起きた時に膝がこわばる(動かすと徐々に改善)
  • 歩き始めが痛いが、しばらく動くと楽になる
  • スポーツなど激しい運動後に痛みが強くなる

進行段階の症状

症状が進むと、以下のようなことが起こります。

  • 膝の腫れや温かい感じが続く
  • 日常的な痛みが強くなり、痛む頻度が増える
  • 膝を完全に曲げ伸ばしするのが難しくなる
  • 膝を動かすと、ギシギシやゴリゴリという音がする
  • 最終的には膝が変形し、見た目にわかるようなO脚になることもあります

検査・診断

当院では、症状の原因を正確に特定するため、複数の検査を組み合わせて診断します。

検査わかること
X線(レントゲン)軟骨がすり減った程度、骨の形の変化(骨棘)、骨の硬化を確認
超音波検査(エコー)軟骨の状態、滑液(関節液)の量、周囲の炎症をリアルタイムで観察
MRI検査軟骨、半月板、靱帯、骨髄の状態をより詳しく評価

当院での治療

変形性膝関節症の治療は、症状の段階に応じて、保存療法(手術をしない治療)から手術療法まで様々な選択肢があります。当院では、患者様の症状や生活スタイルに合わせた、最適な治療プランを提案します。

初期~中等度の治療

ほとんどの変形性膝関節症は、以下の保存療法で症状を改善・管理することができます。

  • X線検査 ― 関節の状態を定期的に評価し、進行を監視します
  • 超音波検査(エコー) ― 軟骨や半月板の状態、炎症の程度をリアルタイムで確認しながら治療方針を決定します
  • MRI検査 ― 軟骨や周囲の軟部組織の詳細な状態を把握し、より正確な診断に役立てます
  • ヒアルロン酸注射 ― 膝関節に直接注入することで、軟骨を保護し、滑りを良くして痛みを緩和します
  • 体外衝撃波治療 ― 衝撃波を使って、膝周囲の血流を改善し、痛みと炎症を軽減します
  • リハビリテーション(理学療法士による運動療法) ― 大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)を強化する運動を指導し、膝をサポートする筋力を高めます
  • ハイドロリリース ― 超音波ガイド下で、膝周囲の癒着した組織をほぐし、可動域と血流を改善します

生活習慣の工夫

お薬や注射と並行して、以下のような工夫が症状を大きく改善します。

  • 適正体重の維持 ― 膝への負荷を減らすことが最も効果的です
  • 膝に優しい運動 ― 水中運動やウォーキングなど、膝の負担が少ない運動を心がけましょう
  • 正しい歩き方 ― 膝の負荷を軽減する歩行指導を受けることをお勧めします
  • 日常生活の工夫 ― 和式トイレから洋式へ、座敷から椅子へなど、膝への負荷を減らす生活習慣を心がけましょう

膝の痛みや違和感がある方は、お早めにご相談ください

変形性膝関節症は、早期の治療で症状の進行を遅らせることができます。
階段が痛い、朝のこわばりが気になるなど、膝に関する症状があれば、
お気軽にご相談ください。当院では、最新の画像診断と適切な治療で、
あなたの活動的な生活をサポートします。

よくある質問

膝の痛みは必ずレントゲンに映りますか?

いいえ。初期段階の変形性膝関節症は、レントゲンに映らないことがあります。当院では超音波検査やMRI検査を組み合わせることで、初期段階の軟骨の傷みも検出できます。症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

ヒアルロン酸注射は何度受けても大丈夫ですか?

ヒアルロン酸注射は、定期的に受けることで効果が継続します。一般的には週1回の注射を3~5週間続けるコースが効果的です。その後は症状に応じて、月1回程度の注射で維持することができます。医師の指示に従い、定期的に受けることをお勧めします。

膝の運動療法はどのくらい続ければ効果が出ますか?

運動療法の効果には個人差がありますが、多くの患者様は2~4週間で変化を感じ始めます。症状を改善させるには、3~6か月程度の継続が目安です。当院では理学療法士が丁寧に指導しますので、無理なく続けることができます。

膝が変形してしまった場合、手術しか選択肢はありませんか?

いいえ。症状が強い場合や、日常生活に支障が出ている場合以外は、保存療法を優先します。ヒアルロン酸注射、運動療法、ハイドロリリースなど、様々な治療法があります。症状が日常生活を大きく妨げている場合のみ、手術を検討します。

膝が痛い時は、温めるべきですか、冷やすべきですか?

急性的な痛みや腫れがある場合は、冷やすことをお勧めします。一方、慢性的な痛みやこわばりがある場合は、温めることで血流が改善し、痛みが楽になることもあります。症状の段階に応じて、医師のアドバイスを受けることが大切です。

※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。症状がある場合は医師の診察を受けてください。

最終更新日:2026年3月

岸谷整形外科クリニック

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