突き指について
突き指について
「単なる突き指」と思わないで ― 骨折や靭帯損傷の可能性
スポーツ中にボールが当たった、転んで指をついた、ドアに指を挟んだ ― こうした「突き指」の経験は誰もが持っているかもしれません。
しかし「たかが突き指」と軽く考えるのは危険です。見た目には分からない骨折や靭帯損傷、腱の断裂が隠れていることが多いのです。放置すると指が曲がったまま伸びなくなったり、握力が低下したりと、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
こんな症状がある場合は要注意
- 指の先端に強い痛みと腫れがある
- 複数日経っても痛みや腫れが引かない
- 指が伸ばしにくい、または曲げにくい
- 指先がいつもと違う角度に曲がっているように見える
- 指全体がズキズキと脈動するような痛みがある
突き指とは?
突き指とは、指の先端に外からの力が加わることで、指の関節が無理な角度に曲げられたり、伸ばされたりする外傷です。
「単なる捻挫」と思われることが多いのですが、実は多くの場合、以下のような複数の損傷が隠れていることがあります。
突き指に含まれる主な損傷の種類
- 靭帯損傷(捻挫) ― 指関節を支える靭帯が傷む。特にPIP関節(指の中央の関節)に多い
- 腱の断裂 ― 指を伸ばしたり曲げたりする腱が切れ、指が動かなくなることもある
- 骨折 ― 指の骨が割れたり、関節の骨の一部が剥がれることもある
- 脱臼 ― 指の関節がズレてしまい、整復が必要な場合がある
重要なポイント:見た目では分からないことも多く、適切な検査を受けることが大切です。
突き指の原因
突き指は様々な場面で起こります。
- バスケットボール、バレーボール、ドッジボールなど、ボールが指に当たるスポーツ
- 転んで手をついた際に、指に力が集中した場合
- ドアに指を挟んだ
- 野球やテニスで不自然な角度で指が曲げられた
- 格闘技やラグビーでの衝突
スポーツ中の事故が最も多いですが、日常生活の中で誰でも起こり得る外傷です。
突き指の症状
突き指の症状は損傷の程度によって異なります。
軽度の場合(靭帯の部分的な損傷)
- 指の関節周りが少し腫れる
- 強い痛みはあるが、数日で軽くなることが多い
- 指はほぼ普通に動かせる
中度~重度の場合(靭帯の完全損傷、骨折、腱損傷など)
- 指が著しく腫れ、内出血で色が変わることもある
- 強い痛みが数日以上続く
- 指を伸ばしたり曲げたりできない
- 指の関節がいつもと違う形になっている
- 指が不安定に感じる(ぐらぐらしている)
症状が強い、または症状が長く続く場合は、必ず医師の診察を受けてください。
当院での検査
「たかが突き指」と思わず、必ず専門医の診察を受けることをおすすめします。当院では以下の検査を行い、正確な診断を心がけています。
| 検査方法 | 目的 |
|---|---|
| 視診・触診 | 腫れ、内出血、変形の有無を確認。触って痛みの位置を特定 |
| X線検査 | 骨折や脱臼の有無を確認(最重要) |
| 超音波検査(エコー) | 腱の断裂、靭帯の損傷、関節内の液体貯留などを詳しく評価 |
| MRI検査 | 複雑な損傷が疑われる場合に、詳細な画像診断を行う |
当院では最新の超音波診断装置を導入しており、リアルタイムで損傷の状態を「見える化」し、より正確で早期の治療につなげています。
当院での治療
突き指の治療は、損傷の程度と種類によって大きく異なります。以下は代表的な治療方法です。
軽度の靭帯損傷(捻挫)の治療
- RICE処置 ― Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の4つで痛みと腫れを軽減
- テーピング・固定 ― 指の動きを制限し、靭帯の治癒を促進(1~2週間が目安)
- 早期からの運動療法 ― 完全に動かさないのではなく、医師の指導のもと適切な範囲で動かすことで、関節の硬さを防ぎます
骨折や重度の損傷の治療
- 固定・テーピング ― 関節を正しい位置に保つための専用の固定具を使用(数週間~2ヶ月)
- リハビリテーション ― 固定後、段階的に指の動きを取り戻す訓練。握力の回復も含めます
- 必要に応じて手術 ― 骨折の位置が悪い場合、靭帯の完全断裂、腱の断裂など、保存治療では治らない場合は手術が必要になることもあります
当院で対応可能な治療:
X線検査、超音波検査(エコー)、固定・テーピング、リハビリテーション
マレットフィンガー(槌指)について
指の先端の関節(DIP関節)を伸ばす腱が切れてしまうと、指の先端が曲がったままになる「マレットフィンガー」という状態になります。この場合は、6~8週間、指の先端を伸ばした位置で固定することが大切です。放置すると伸ばせなくなったまま固くなってしまいます。
回復を早めるための日常生活の工夫
突き指の治療中は、以下のことに気をつけることで、回復をより早くすることができます。
- 固定中は指を動かさない ― 医師の指示を守ることが最重要です
- 最初の48時間は冷やす ― 腫れを抑えるため、氷を使った冷却を続けます
- 患部を高く上げる ― 腕を上げることで、むくみを減らせます
- 指を無理に動かさない ― 痛みが残っているときは、日常生活での過度な使用を避けましょう
- 医師の指示のもとでリハビリを開始 ― 固定が取れた後は、段階的に動きを取り戻すことが大切です
- スポーツへの復帰は医師の許可を待つ ― 腫れや痛みが完全に消え、握力が戻るまで待つことが重要です
「単なる突き指」と思わず、医師の診察を受けてください
見た目では分からない骨折や腱の断裂が隠れていることが多いのが「突き指」です。
痛みや腫れが残っている場合は、放置せず、早期の受診をおすすめします。
適切な診断と治療を受けることが、後遺症を防ぐカギになります。
よくある質問
突き指をしたら、まず何をすればいいですか?
まず患部を冷やし、できるだけ動かさないことが大切です。RICE処置(冷却、圧迫、挙上)を行い、できるだけ早く医師の診察を受けてください。マッサージや温めることは、腫れを悪化させるため避けてください。
突き指がなかなか治りません。どのくらいで治りますか?
損傷の程度による違いが大きいです。軽い捻挫なら1~2週間で痛みが減りますが、骨折や腱の断裂がある場合は数週間~数ヶ月かかることもあります。正確な診断を受けることで、治療期間を知ることができます。
指が曲がったままになってしまいました。治りますか?
マレットフィンガー(槌指)の場合、早期に適切な固定を行えば改善の可能性が高いです。ただし、放置した期間が長いほど、治りが悪くなることがあります。早めに医師に相談することをおすすめします。
突き指でも手術が必要な場合があるのですか?
はい。骨折の位置が悪い場合、靭帯の完全断裂、腱の断裂など、保存治療では治らない場合は手術が必要になることがあります。当院で詳しい診断を行い、必要に応じて専門の施設をご紹介します。
指の固定はいつまで続けますか?スポーツには復帰できますか?
固定の期間は損傷の程度によって異なります。軽い捻挫なら1~2週間、骨折なら3~6週間程度が目安です。スポーツへの復帰は、腫れや痛みが完全に消え、握力が戻ってからになります。医師の許可を得てから復帰することをおすすめします。
※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。症状がある場合は医師の診察を受けてください。
最終更新日:2026年3月





