スポーツ障害

シーバー病

スポーツ・小児

シーバー病について

成長期の子どもの踵の痛み ― 原因と正しい対処法

「サッカーやバスケットをしていると、踵が痛いと子どもが言う」「朝、最初の一歩で痛がる」――こうしたお悩みを持つご両親も多いのではないでしょうか。

それは、シーバー病(踵骨骨端症)という、成長期の子どもに特有の成長痛かもしれません。多くの場合、適切な対処で改善されますので、正しい知識を持つことが大切です。

お子さんにこんな症状はありませんか?

  • 踵(かかと)が痛い、特に運動後や朝の一歩目に痛む
  • 踵を押すと痛がる
  • つま先立ちや走ると痛みが増す
  • ジャンプやダッシュの後に痛みが出やすい
  • スポーツをしているが、安静時には痛みが和らぐ

シーバー病とは?

シーバー病は「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」とも呼ばれ、成長期の子どもの踵に起こる成長痛です。

8~13歳頃の活発な男児に多く見られます(女の子ではやや低い年齢で起こることもあります)。踵の骨の一部(骨端核)がまだ完全に発達していない時期に、繰り返しのストレスや圧迫力がかかることで痛みが生じます。

良いニュースは、成長とともに自然に治ることがほとんどだということです。数週間から数ヶ月で改善する傾向があります。

シーバー病の原因

シーバー病の主な原因は、成長期の踵骨(かかとの骨)の成長軟骨部分に対する繰り返しの牽引(けんいん)ストレスです。特にアキレス腱の引っ張る力が大きな要因となります。

なぜ踵が痛くなるのか?

  • 骨の成長が速い時期 ― 骨と筋肉・腱の成長のバランスが崩れると、アキレス腱が踵を強く引っ張ります
  • ジャンプや走る動作の繰り返し ― サッカー、バスケットボール、陸上などのスポーツで踵に負荷がかかります
  • アキレス腱の柔軟性が低下 ― ふくらはぎや腿の筋肉が硬いと、踵への牽引力が強くなります
  • 急激なスポーツの量増加 ― 新しいスポーツを始めたり、練習量が急に増えると症状が出やすくなります

シーバー病の症状

主な症状

  • 踵の痛み ― 特に運動後や朝の一歩目に顕著です
  • 圧痛(押さえると痛い) ― 踵を指で押すと痛みが出ます
  • つま先立ちで痛む ― つま先立ちをしたり、かかと歩きをすると痛みが増します
  • 走ると悪化 ― ダッシュやジャンプ、長時間の走行で痛みが強くなります

痛みの特徴

多くの場合、痛みは運動中よりも運動後や朝に強く出るのが特徴です。安静にしていると痛みが和らぎ、また運動すると痛みが戻る、という循環を繰り返します。

診断と検査

当院では以下の検査を組み合わせて、正確な診断を行います。

検査方法わかること
X線検査(レントゲン)踵の骨端線の状態、拡大や不整がないか確認します
超音波検査(エコー)踵の軟部組織や骨の状態をリアルタイムで確認。炎症の程度も評価できます
臨床所見踵の圧痛、つま先立ちやジャンプ時の痛みなどを確認します

X線検査で特に異常が見られなくても、臨床症状や超音波検査で診断できることも多いため、診断に困ることはありません。

当院での治療

シーバー病は自然に治る傾向がありますが、適切な治療とリハビリにより、痛みを早く和らげ、スポーツへの復帰をサポートします。

当院で行う主な治療

  • X線検査・超音波検査(エコー) ― 正確な診断を行い、他の疾患との区別をします
  • インソール指導 ― 足にかかる負荷を軽減し、アーチをサポートする専用インソールをご提案します
  • リハビリテーション ― ストレッチやアキレス腱・ふくらはぎの柔軟性改善運動を指導します
  • 体外衝撃波療法 ― 痛みが強く、保存療法の効果が限定的な場合に検討します
  • 鎮痛薬・貼り薬 ― 痛みが強い場合、処方薬や外用薬で一時的な痛みの軽減をサポートします

自宅でできるケア

  • アイシング ― 運動後に踵を冷やします(15~20分が目安)
  • ストレッチ ― ふくらはぎやアキレス腱を毎日伸ばし、柔軟性を保ちます
  • 運動量の工夫 ― 完全に止めるのではなく、痛みが出ない範囲での活動が推奨されます
  • ヒールカップの使用 ― かかと部分をサポートするクッションを靴に入れます

スポーツへの復帰

お子さんが一番気になるのは「いつ、スポーツに戻れるのか」という点ですね。無理は禁物ですが、完全に止める必要もありません。

復帰の目安

  • 踵の痛みが完全に消えている
  • つま先立ちやジャンプで痛みがない
  • 全速力での走行で痛みがない
  • 朝の一歩目で痛みが出ていない

復帰直後も、急に練習量を戻すのではなく、段階的に増やすことが大切です。医師の指示を守り、無理のない形で活動を再開してください。

日常生活で気をつけること

ご両親がサポートできることは?

  • 定期的なストレッチ習慣 ― お子さんと一緒に毎日10~15分のストレッチを行いましょう
  • 靴の確認 ― クッション性の良い靴を選び、踵のサポートが十分にあるものを選んでください
  • 練習量の見守り ― 急激な練習量の増加を避け、段階的な増加をサポートします
  • 充分な睡眠と栄養 ― 成長期には質の良い睡眠と栄養が欠かせません
  • 定期的な受診 ― 症状が改善しない場合、医師の診察を受けることをおすすめします

お子さんの踵の痛みが気になる方は、お気軽にご相談ください

単なる成長痛と思い込まず、正確な診断を受けることが大切です。当院では、お子さんが心配なく
スポーツを続けられるよう、全力でサポートいたします。

よくある質問

シーバー病は何年も続くのでしょうか?

いいえ。シーバー病の多くは、骨の成長が完了する思春期後期(15~16歳)までに自然に治ります。適切な治療とケアにより、通常は数週間から数ヶ月で改善します。ただし、スポーツを続ける場合は、症状が再発しないよう予防が大切です。

スポーツを完全にやめる必要がありますか?

いいえ。完全に止める必要はありません。痛みが出ない範囲での活動は推奨されます。ただし、激しい練習や長時間の活動は避け、段階的に活動量を戻すことが重要です。医師のアドバイスに従い、お子さんと相談しながら活動を調整してください。

ストレッチはどのくらい続ければよいですか?

症状が消えた後も、スポーツを続ける限り、定期的なストレッチを習慣づけることをおすすめします。特にふくらはぎとアキレス腱の柔軟性を保つことが、再発防止に役立ちます。毎日10~15分程度で十分です。

体外衝撃波療法とは何ですか?痛くありませんか?

体外衝撃波療法は、音波を使って患部の血流を改善し、痛みを軽減する治療法です。保存療法(安静、ストレッチ、インソールなど)で改善が見られない場合に検討します。若干の違和感はありますが、痛みはありません。子どもにも安全に行える治療です。

他の診療科や別の治療をすすめられました。どうすればよいですか?

セカンドオピニオンをお求めになるのは自由です。ただし、シーバー病は一般的な診断と治療が確立しており、当院の診断に自信を持っています。ご不安な点やご質問があれば、いつでもお気軽にお医者さんにお聞きください。複数の医師の意見を聞くことは、お子さんの治療方針をご両親が理解する上で、とても有益です。

※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。症状がある場合は医師の診察を受けてください。

最終更新日:2026年3月

岸谷整形外科クリニック

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